物語を殺さない小説のアウトラインの作り方

小説のアウトラインを作るには、1文の前提を書き、主な転換点に名前を付け、それを、それぞれが何かを変えるシーンに分けます。改稿できる程度にゆるく保ってください。良いアウトラインは、物語を知るにつれて描き直す地図であり、契約ではありません。

要約

アウトラインとは、プロットの作業計画です。1文の前提から始め、構造を選び、転換点に印を付け、それぞれ欲求、障害、変化を持つシーンを並べます。深さは、1ページからシーンごとのカードまで、自分に合うものを選び、下書きが物語の正体を教えてくれるたびに改稿してください。

小説のアウトラインとは、何が起こるかを順に並べたリストで、それぞれのシーンがどこへ向かうかが分かる程度に詳しく書いたものです。1ページのメモから下書きを始める書き手もいれば、すべてのシーンを計画する書き手もいます。どちらも間違いではありません。アウトラインは段階を踏んで作り、役に立つ深さで止めてください。アイデアから完成した本までの道のり全体については、本の書き方をご覧ください。

なぜアウトラインを作るのか

アウトラインは、何か月もかけて下書きを書く前に、3つの問いに答えてくれます。物語は1冊を支えるだけの中身があるか、どこで転換するか、どこかに着地するか、です。次のシーンが何をすべきかをすでに決めてあるので、中盤への恐怖も和らぎます。

アウトラインにはコストもあります。固すぎるアウトラインは、下書きをおもしろくしている発見の楽しみを奪い、第10章までには機能しなくなったアイデアを固定してしまうこともあります。アウトラインは仮説として扱ってください。書くことで検証し、下書きのほうが良い道を示したら変更します。

ステップ1:前提を1文で書く

前提は、主人公、目標、障害を述べるものです。友人に話せる1文を目指してください。

ギルドが牛耳る港町のフェリー係の女性は、ギルドに見つかる前に、兄を逮捕させる原因となった手紙に封をした人物を突き止めなければならない。

書けないなら、主人公の欲求がまだないか、対立があいまいなのかもしれません。各部分が具体的になるまで書き直してください。ランディ・イングマンソンのスノーフレーク法は、この同じ1文の要約から始め、段階的に広げていきます。彼は、短くし、登場人物の名前は入れないよう勧めています。この広げ方は、手法の全体を使わなくても、良い型です。

ステップ2:寄りかかる構造を選ぶ

構造があれば転換点を与えてくれるので、すべてをゼロから考え出さずに済みます。ストーリー構造とはで、代表的なモデルを比較しています。最も単純なのは三幕構成です。

部分役割あなたのメモ
第一幕主人公、欲求、日常を乱す出来事を紹介する。マーラが封印された手紙を見つける。
第二幕の前半目標を追い、抵抗に遭う。ギルドの記録を調べていく。
中間点逆転が問いを変える。封蝋は兄自身のものだった。
第二幕の後半圧力が高まり、欠点が代償を生む。友人が彼女のせいで解雇される。
第三幕最後の試練とその結果。ギルドを告発し、職を失う。

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既成の形があると助かる場合は、Musaelの三幕構成、7ポイント、15ビートのテンプレートが、編集できる幕、章、シーンとして開きます。

ステップ3:転換点に印を付ける

転換点とは、その後もう元には戻れなくなる出来事です。次の6つを見つけて、それぞれ1文で書いてください。

  1. 日常を乱す出来事。 主人公の普通の生活を終わらせるものは何か。
  2. 決意。 主人公はいつ目標を追うと選ぶのか。
  3. 中間点。 どんな逆転が、自分たちがしていることについての考えを変えるのか。
  4. 最悪の局面。 最悪の瞬間は何で、何を失うのか。
  5. クライマックス。 どんな最後の選択が問いに決着をつけるのか。
  6. 新たな日常。 その後、何が違っているのか。

結末は分かっていても中盤が分からないなら、この6つを逆順に書いてください。ダン・ウェルズの7ポイント構成も、同じ逆算の計画を使います。

ステップ4:転換点をシーンに分ける

転換点の間には、そこへ導くシーンがあります。短い行として書き出してください。役に立つシーンには、何かを望む人物、障害、そして最後には変化があります。各シーンにカードを用意しましょう。

項目メモ
シーンのタイトル自分が見て分かる言い回し。
視点誰の頭の中にいるのか。
場所と時間場所と時刻、または相対的な時間。
欲求視点人物がしようとしていること。
障害行く手を阻む人や物。
転換終わりには何が違っているか。
開示読者が知ること。
未決の問いまだ決めていないこと。

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転換が書けないなら、そのシーンは不要か、2つのシーンかもしれません。続く2つのシーンの転換が同じなら、統合するか、どちらかを削ってください。

原因と結果でシーンをつなぐ

リストを読み、連続するシーンを、「それから」ではなく「だから」や「しかし」でつないでください。「マーラは資料室のドアをこじ開け、それから事務員に会う」は、ただの連なりです。「マーラは資料室のドアをこじ開けた。だから警報が鳴る。しかし、彼女を見つけた事務員は、兄の名前に気づく」なら、プロットです。「それから」があるたびに、足りない原因を探す場所になります。

自分に合った深さを選ぶ

浅く始めて、必要なところに詳細を足していけます。

深さ内容向いている人
骨組み前提と6つの転換点。1ページほど。書きながら発見したい書き手。
章のリスト章ごとに1~3行。多くの小説家。
シーンカード上の項目を持つ、シーンごとのカード。複雑なプロット、ミステリー、複数の視点。

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詳細は下書きのためにあるべきです。シーンを細かくアウトラインにする頃にはそのシーンへの関心を失っているなら、アウトラインが物語を殺しているのかもしれません。浅くして、下書きに進みましょう。

プロットが複雑なら、スレッドごとにアウトラインを作る

サブプロット、複数の視点、ミステリーのある作品は、スレッドを別々に追うと効果的です。各スレッドの始まり、中盤、終わりを書き出し、そのうえでシーンを織り交ぜます。ミステリーには、手がかりの予定表が必要です。読者がいつ何を知り、どの偽の手がかりがそれを覆い隠すか、ということです。ロマンスには、障壁と、二人がそれぞれ近づいたり離れたりする瞬間が必要です。ミステリーとロマンスのテンプレートが、これらの形を示しています。

読者が知っていることと、登場人物が知っていることに印を付けてください。読者には効いても登場人物には効かない開示は、劇的アイロニーです。逆なら、ミステリーです。2つの列を設けると、これが見えるようになります。

アウトラインを生かし続ける

アウトラインは、書き始めた瞬間に間違いになります。書くうちに、いろいろなことを学ぶからです。それが下書きを書く意味です。役立つ状態を保つには、次のようにします。

  • シーンごとではなく、幕ごとに更新する。 書いたものを計画と比べ、何がなぜ変わったかを記録します。
  • 決定を記録しておく。 中間点を変えるなら、古いアイデアをノートのファイルに書いておきます。戻したくなるかもしれません。
  • シーンに、計画済み、下書き済み、改稿済みの印を付ける。 計画のどれだけが文章になったかが分かります。
  • 改稿の前に、下書きからアウトラインを作り直す。 シーンが実際に何を含んでいるかを書き出します。計画と下書きの差が、直すべきところを示します。

大きな構造変更の前にコピーを保存して、比較や復元ができるようにしてください。

下書きの前にアウトラインを試す

ノートだけを使って、物語を5分で声に出して語ってください。口ごもる、ステップを飛ばす、「なんとかして」と言う、そのような箇所に穴があります。好意的な読者に1人、聞いてもらい、どこで興味を失ったかを教えてもらいましょう。

次に、3点を確認します。主要な転換を起こすのは主人公の選択か、それともプロットが主人公に降りかかるだけか。各幕は、次の幕が答えなければならない決断や喪失で終わっているか。結末は、前に仕込んだ何かによって納得できるものになっているか。「いいえ」があれば、1行を変えるのが1章ではなく1分で済む今のうちに、アウトラインを直してください。

よくあるアウトラインの間違い

  • 変化ではなく出来事をアウトラインにする。 「二人は港へ行く」は出来事です。「マーラは、ギルドが印を偽造したと知る」は変化です。
  • 登場人物を知る前にすべてを計画する。 アウトラインが行き詰まったら、シーンを1つ書いて人物を知り、それから戻ってください。
  • アウトラインを約束として扱う。 借りがあるのは作品に対してであり、計画に対してではありません。
  • 障害がない。 うまくいくことのリストは、要約であってプロットではありません。
  • 空っぽの中盤。 転換点は明確なのに中盤が疑問符の列なら、中間点の逆転と、段階的に強まる圧力を加えてください。

試せる、完結した小さなアウトライン

ここに、架空の6シーンのミステリーがあります。全体を点検できるよう、意図的に小さくしてあります。中心となる問いは、行方不明の事務員の印を誰が使ったか、です。人間関係のサブプロットは、主人公が、調査を手伝う人物を信頼できるかどうかを変えていきます。

シーン視点と行動調査のスレッド信頼のスレッド
1. 橋エリラが手紙を見つけ、手助けを拒む封蝋と行方不明の事務員を示す彼女は助けを脅威として扱う
2. 登記官エリラが、誰ならこれを読めるかを尋ねるのちに不完全と分かる説明を受ける彼女は味方ではなく役人を選ぶ
3. 鍵のかかった資料室エリラは味方の立ち入り権限を必要とする別の人物が封蝋を使った証拠を見つける助けを受け入れるが、手紙の出どころは隠す
4. 事務員の証言味方が以前の出来事を思い出す物語内の時間で、封蝋が実際に使われた場面を確定する味方が登記官を信用しなかった理由を明かす
5. 告発エリラの不完全な説明が、言い争いを招く証拠を入手するのが難しくなる真実を隠すことに、目に見える代償が生じる
6. 岸壁エリラが真実を話し、味方とともに行動する誰が、なぜ封蝋を使ったかが解決する重大な選択を通じて信頼を示す

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これはあらゆる小説に当てはまる公式ではありません。シーンが2つのスレッドを動かし、しかも各スレッドが別々の役割を果たせることを示しています。シーン3を取り除いても結末が同じくらい納得できるなら、その役割を見直す必要があります。

アウトラインを1つの構成にする

Musaelでは、幕、章、シーンを作り、該当する視点を割り当てます。調査と信頼のプロットラインを追加します。シーンは、それぞれ別のノートを付けて両方に参加できます。2つの目的に役立つからといって、シーンを複製しないでください。

アウトラインと原稿は、同じシーンの記録を使います。下書きのあと、構成 → 推敲で、保存済みの調査スレッドを読みます。次に信頼を別に読み、そのノートを実際の振る舞いと照らし合わせます。

タスクの横に保存済みのシーン本文を読む、Musaelの実際の構成の推敲ビュー

スクリーンショットはテストプロジェクトのものです。このビューの要点は、「アウトラインではそうなっている」ことと「保存された文章が実際にそうしている」ことの違いです。両者が食い違うときは、具体的なシーンのタスクを残してください。

歴史を書き換えずにシーンを動かす

事務員の証言を、シーン4から冒頭へ移してみましょう。それが述べている過去の出来事は変わっていませんが、読者はそれをより早く知ります。後の問いのうち、どれがサスペンスを失うか、そしてエリラは読者が知っていることを知っているかを考えてください。

物語内の時間の情報は、世界観に、原稿の順序とは別に記録します。移した文章がエリラにある事実を明かすなら、入手の記録を意図的に更新してください。新しい章番号から推測してはいけません。

大きな再構成の前にバージョンを残しておきます。シーンを移したあとは、影響を受けるスレッドをもう一度読み、「昨日」や「先ほど」への言及を確かめ、根拠のチェックを更新してください。アウトラインは作品についての作業仮説であり、改稿で変わったことを無視する言い訳ではありません。

よくある質問

小説のアウトラインは、どのくらい詳しくすべきですか。

次のシーンが何をすべきかが分かる程度です。多くの書き手にとっては、章ごとに1~3行の章リストです。シーンカードは、プロットが複雑なところだけに足してください。詳細のせいで興味を失うなら、もっと浅くしましょう。

書きながら考えるタイプですが、アウトラインはどう作りますか。

先に下書きを書き、書いたものをアウトラインにします。各シーンの中身のリストが、形と穴を示します。前提と6つの転換点だけを書き、その間のすべてを発見していくこともできます。

小説のアウトラインの最初のステップは何ですか。

主人公、目標、障害を含む1文の前提を書きます。次に構造を選び、主要な転換点に印を付けます。シーンはその後です。

アウトラインは、初稿の前と後のどちらに作るべきですか。

どちらでもかまいません。先に作れば、方向が定まり、構造の書き直しが減ります。後に作れば、作品が実際に何をしているかを正確に把握できます。多くの書き手は、先に軽く作り、下書きの後で詳しく作ります。

小説のアウトラインは、どのくらいの長さにすべきですか。

さまざまです。骨組みは1ページかもしれません。章のリストは数ページになることもあります。長編のシーンカードは数十枚になることもあります。長さは質の尺度ではありません。

Musaelの活用

プランボードでは、幕、章、シーンをボードまたはリストで表示します。各シーンには、状態、視点、ノートがあり、プランでシーンを動かすと原稿でも動くので、アウトラインと下書きは、突き合わせる2つの文書ではなく、1つの構造のままです。

出典