実際に埋められる項目だけを集めたストーリーバイブルのテンプレート

ストーリーバイブルのテンプレートは、執筆しながら埋めていく表の集まりです。前提、登場人物、場所、ルール、年表、プロットの糸、文体の決め事、未解決の問いを扱い、各項目に事実・信念・問いの区別と、それを確立したシーンを記録します。

要約

下の表をドキュメントやスプレッドシートにコピーし、次のシーンから書き進めながら埋めていきます。作品の概要、登場人物、場所、ルール、2列の年表、プロットの糸、文体の決め事、未解決の問いをカバーします。各項目には種類と出典があるので、改稿は探し回る作業ではなく確認作業になります。

ストーリーバイブルとは、作品の参照用ドキュメントです。原稿が矛盾しないように守るべき事実、名前、ルール、年表をまとめます。役に立つバイブルは、短く、最新で、検索しやすいものです。ここでは、小説家がよく使うセクションを、どのドキュメントにもコピーできる表にしました。埋めることのない項目は入れていません。

バイブルの考え方は、ストーリーバイブルの作り方と用語集の項目で説明しています。ここにあるのは、フォームそのものです。

テンプレートの使い方

  1. 小さく始めます。 作品の概要を埋め、登場人物を1人、場所を1つ、次のシーンに必要な事実を書き込みます。
  2. すべての項目に印を付けます。 F は事実(原稿で確立されたもの)、B は信念(登場人物が持っているもので、間違っている場合もあります)、Q は未解決の問いです。
  3. 出典を記録します。 項目の元になったシーンやメモです。プランニングのメモは意図を記録するもので、シーンは実際に本に入ったものを示します。
  4. 執筆のたび、または章ごとに更新します。 毎週更新するバイブルは正確さを保てます。最後にまとめて更新するものは、ただの復元作業です。
  5. 改稿のあとに見直します。 末尾のチェックリストを使ってください。

セクション1:作品の概要

項目あなたの答え
仮題
ジャンルとサブジャンル
目標の長さ
一文の前提
主人公とその望み
中心となる対立
結末(未定なら方向性)
視点と時制
選んだ構成(例:三幕)
テーマを数語で

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セクション2:登場人物

1人につき1行です。短くまとめ、主要な登場人物にはキャラクタープロフィールのテンプレートを使います。

名前と別名役割望み主な事実知っていること(いつから)出典印

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紙面に名前が出るすべての人物に行を作ってください。脇役も含めると、うっかり同じ名前を使い回さずに済みます。

セクション3:場所

場所物語での役割行動を制限する事実支配している者出典印

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登場人物が行き来する場所の間は、移動時間も書いてください。物語で使う単位(時間や日数など)で記します。

セクション4:世界のルール

ルール代償例外出典印

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ここには、魔法、技術、法律、慣習など、登場人物にできることを制約するものを入れます。代償のないルールは、もう一度見直す価値があります。

セクション5:物や組織

名前それが何か持っている者・運営する者なぜ重要か出典印

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封をされた手紙、呪われた指輪、港のギルドなどはここに入れます。シーンや人物の間を移動するものは、すべてここに属します。

セクション6:年表

物語には2つの順序があります。出来事が起きた順序と、読者がそれを知る順序です。両方を記録してください。

出来事いつ起きたか(物語内の時間)読者に初めて示される箇所誰がいつ知るか

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不確かな日付は不確かなままでかまいません。「嵐の前」のような表現も、暦の日付がなくても有用な制約になります。回想や遅らせた暴露で出来事が順序から外れるときは、行を追加します。

セクション7:プロットの糸

糸始まり高まり解決状態
主筋
サブプロット
謎や秘密

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状態は、予定・執筆済み・改稿済み・破棄のいずれかです。破棄した糸も記録しておく価値があります。原稿の回収されていない伏線は、追うのをやめた糸であることが多いからです。

セクション8:文体の決め事

決め事選択例
綴り(英国式か米国式か)
数字(漢数字かアラビア数字か)
会話文の形式と句読点
名前や肩書き(表記ゆれ、ハイフン)
世界のために作った用語
避ける言葉

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文体の決め事は些細に見えて、改稿では小さな修正を大量に生みます。決めたときに書き留めておきましょう。

セクション9:未解決の問い

問いなぜ重要かいつまでに必要か決定

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未解決の問いが、いつのまにか事実になってしまわないようにしてください。決めるまでは Q の印を付けたままにします。

記入例

下の行は、架空の港町を舞台にした小説のものです。たいていの場合、これくらいの細かさで足ります。

名前と別名役割望み主な事実知っていること(いつから)出典印
マーラ・ヴェン(愛称「ヴェン」)主人公手紙に封をした者を突き止める渡し船の事務員。右利き。29歳封蝋が本物だと信じている。入手時期は未記録冒頭のシーンF
トマス・ヴェン兄身を隠していたい西門で逮捕された記録簿に署名したのが誰かを知っている第2章F
登録官イルゼ・ドーン敵対者公文書庫を閉じたままにする唯一の鍵を持っている封蝋がトマスのものだと知っている予定、第9章Q

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出来事いつ起きたか読者に初めて示される箇所誰がいつ知るか
手紙に封がされる第1章の3夜前第6章、回想の中トマス、イルゼ・ドーン
マーラが壊れた封蝋を見つけるその翌日の午後第1章マーラ。第4章で友人にも
トマスが逮捕される翌日の夜明け第2章波止場の全員

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この年表を見ると、2つの順序が必要な理由が分かります。手紙に封がされたのは物語の開幕前ですが、読者がそれを知るのは第6章です。

生きた状態に保つために

テンプレートは、本と一緒に変わっていかなければ役に立ちません。次のような習慣が助けになります。

  • 先にではなく、書きながら項目を足します。 シーンが確立したことや決めたことを記録します。
  • 大きな変更には日付を入れます。 シーンを動かしたり動機を変えたりしたときは、項目が以前どう書かれていたかを残します。
  • 改稿後に出典を確認します。 出典に挙げたシーンにその事実がもうなければ、その項目は古くなっています。
  • 調べ物はメインの表の外に置きます。 長い抜粋を貼り付けるのではなく、別ファイルにリンクします。
  • 大きな再構成の前に、復元できるコピーを保存します。

改稿のチェックリスト

  • 紙面に登場するすべての人物に行がある。
  • すべての場所に移動時間と制約が書かれている。
  • ルールのそれぞれに代償がある。
  • 年表に、物語内の時間と読む順序の両方がある。
  • 破棄した糸や未解決の糸が、そのように記されている。
  • 文体の決め事が原稿と一致している。
  • Q の印の行には、決定か、開けておく理由がある。
  • 出典のシーンに、その事実がまだ含まれている。

よくある質問

ストーリーバイブルとは何ですか。

ストーリーバイブルは、作品の事実を記録する参照用ドキュメントです。登場人物、場所、ルール、年表、プロットの糸などを扱います。特に長編やシリーズで、原稿の一貫性を保つのに役立ちます。

ストーリーバイブルには何を入れればよいですか。

最低限、作品の概要、登場人物、場所、世界のルール、年表、未解決の問いです。必要に応じて、プロットの糸、物や組織、文体の決め事を足してください。

いつからストーリーバイブルを始めるべきですか。

忘れてしまいそうな細部ができた時点です。たいていの書き手にとっては、最初の数章を書いたあたりです。最初は小さく始め、書きながら広げます。

ストーリーバイブルとプロットの違いは何ですか。

プロットはこれから何が起きるかを計画するものです。ストーリーバイブルは、すでに紙面で起きたことも含め、作品内で真であることを記録します。プロットは執筆中に変わりますが、バイブルは原稿が実際に確立したことを追います。

ストーリーバイブルに特別なソフトは必要ですか。

いいえ。ドキュメントやスプレッドシートで足ります。本が長いとき、シリーズであるとき、複数人で書くときは、原稿へのリンクがあるソフトのほうが探す手間を省けます。

Musaelでできること

Musaelは、原稿と並べて世界観の記録、出典の注釈、信念、出来事を保持します。これらの表はどんなドキュメントでも役立ちます。Musaelでは、次の改稿に役立つレコードだけを作れば十分です。

テンプレートの「知っていること(いつから)」の欄はプランニングのメモとして使い、知識チェックで比較させたい場合は、入手と各シーンでの使用を明示的に記録してください。物語内の時間と章の順序は別のものです。変更の影響の追跡は、記録された依存関係をたどるもので、リンクされていないすべての文までは見つけられません。

出典の本文を改稿したら、証拠のチェックを更新してください。レポートに、確認されていない証拠付きで、早い時期の使用が記録されていると表示されることがあります。それは、タイミングと該当箇所の両方を確認すべきだという合図であり、登場人物が実際に秘密を明かしたという保証ではありません。